ポーランド人の女性と出会った。彼女は、大きなリュックを背負ってひとり旅をしている。パパイヤを食べていたが、そのうちの一切れを僕にくれたのである。お礼にポーランド民謡を歌ってあげた。春が呼んでるよ、森へ行きましょう、トランペット壊しちゃった、さあ踊ろう楽しいポーレチケ。異国の地で、それも外国人から思いがけず自国の民謡を聞かされて、余程うれしかったのだろう。身体を揺らしながら、一緒に口ずさみながら聞いてくれた。
ポーランド民謡“春が呼んでるよ”は、そのすっきりとした、すっくとした端正な美しさで、一級の芸術作品といってもよいだろう。そして、その美しさは決して豪華な大輪の薔薇の花や色鮮やかなチューリップの花の美しさではない。一見、貧相に見える名もない小さな野に咲く花の美しさである。さすがにショパン(Chopin)を生んだ国である。
0 件のコメント:
コメントを投稿